スギ花粉症の減感作療法。「舌下免疫療法」って知っていますか?

今年のスギ花粉の飛散は、山口県では比較的に少なかったようですが、スギ花粉症の患者様にとっては、やっぱり嫌な季節だったと思います。

 

そういう私も軽い花粉症のため、抗アレルギー薬をシーズン通して飲んでいました。

スギ花粉症は、アレルギー疾患であり、通常は完治することはまずありません。

 

鼻水が出れば、鼻水を止める薬を飲み、目がかゆくなれば目薬でそのかゆみを一時的に抑えます。

 

つまり、花粉症を治すのではなく、症状を抑える薬を症状が出たときに服用するのが、今までの一般的な治療法でした。

 

しかし、昨年の10月にスギ花粉症を根本的に治療できるシダトレンという薬が鳥居薬品から発売されました。

シダトレンは、スギ花粉を原料としたエキスで、少量から服用することによって体を慣らし、スギ花粉によるアレルギー症状(スギ花粉症症状)を和らげます。

服用方法は、液体を舌下(べろの下)に垂らし、そのまま2分ほど含んだ後、飲み込みます。

少しピリピリした感覚を感じる方もいらっしゃるようですが、味などは特に悪くないようです。


また、この方法は減感作療法(※1)といわれるもので、かなり長期間、薬をのみつづける必要があります。

もちろん個人差があると思われますが、だいたい最低3年、必要であればそれ以上の期間を要します。

※1減感作療法・・・アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度、少量から投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要です。 治療は長期間(3~5年)かかります。

ただ、この薬の効果が得られれば、スギ花粉によるくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が緩和され、抗アレルギー薬などの薬を減量できる可能性があります。

 

また、それに伴い、今まで必要だった様々な費用も軽減できるかもしれません。

 

スギ花粉症がひどく、マスクやメガネでもなかなか対応できなくて、スギ花粉飛散シーズンには薬とティッシュが手放せないといった方は、一度検討されてもいいかもしれませんね。

 

それでは、シダトレンを始めるにはどうすればよいのでしょうか?

 

まずは、製薬メーカーの講習を受け、シダトレンの処方を許可されている医師が勤務する医療機関を探す必要があります。鳥居薬品のシダトレン専用のホームページに検索できるページがありますので、そこからお近くのスギ花粉症に対する舌下免疫療法相談施設を検索しみてください。(下記のボタンからリンクしています。)


シダトレンを処方することが許可されている医師以外が発行したシダトレンの処方せんは、どの調剤薬局でも受け付けることができませんので十分注意してください。

 

ちなみに、当薬局のある山口県下松市では「ほりいけ耳鼻咽喉科」がスギ花粉症に対する舌下免疫療法相談施設となっております。

シダトレンは、舌下免疫療法というスギ花粉症を根治する可能性のある画期的な治療法ですが、始める前に必ず知っておいていただきたいこともいくつかあります。

 

1つ目は、シダトレンを続けたからといって100%完治するというわけではないということです。

国内の臨床試験では、シダトレンによる舌下免疫療法を2年間行った場合、

  • 約6割の人が花粉症の症状が軽くなり
  • 約2割の人が花粉症の症状がほとんどでなくなり
  • 約2割の人は全く変わらない。

という結果がでています。

この割合が高いのか低いのかは、何とも言えませんが、シダトレンを続けたとしても効果が出なかったということになる可能性もあるという事実は、知っておかないといけないでしょう。

2つ目は、シダトレンはスギ花粉アレルギーの人にそのアレルギー源であるスギ花粉エキスを直接投与するためアナフィラキシーショックなどの重大な副作用が起こる可能性があるということです。

 

もちろん、その可能性は低いですが、特に次の3つの期間に注意が必要です。

  • 服用後少なくとも30分間
  • 服用開始初期(少なくとも1か月間)
  • スギ花粉が飛散している時期

このため、一番最初の服用は病院で行うのが一般的です。

万が一、薬による過敏症状が出た場合には、すぐに対応できるように緊急の受け入れができる病院と連携できる環境が整っていることが、シダトレンを処方できる医師が登録制になっている理由での一つです。

3つ目は、このTOPICSで何度も触れていますが、少なくとも約3年間、毎日、舌の下に薬を落とし続けなければならないということです。


また、いつ服用を終えるかということについても、はっきりとした決まりはありません。

海外の例では、3年で8割の人が服用を中断してしまったというデータもありますし、服用をやめて数年たつとスギ花粉症が再発することがあるとも言われています。



このようにシダトレンによる舌下免疫療法を始めるにあたっては、以上の3点についてきちんと納得しておくことが大切です。

他にも、使用できる年齢が12歳以上であるとか、開始できる期間が5月~12月(スギ花粉の飛散がない時期)、服用方法が多少複雑である、スギ花粉以外のアレルギーには効果がないなど、確認すべきことはまだあります。

 

シダトレンによる舌下免疫療法は、今までの症状を抑えるだけの治療とは違い、完治させる可能性のある治療法です。

 

スギ花粉症が重症で薬を飲んでもあまり改善しない方や、薬による眠気やだるさのために花粉症のシーズンは仕事やプライベートに支障が出る方などはシダトレンの服用は選択肢の一つとして有効だと思います。

 

もっと詳しくお知りになりたい方は、下記のボタンより「アレルゲン免疫療法ナビ」のサイトをご覧ください。

ちなみに当薬局では現時点ですでに8名の患者様がシダトレンによる舌下免疫療法を開始されております。


ご不明な点がございましたら くるみ薬局にお気軽にご相談ください。

Loading